映画『ゆるキャン△』

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≪あらすじ≫
これは、少し先の冬からはじまる物語。
志摩リンは故郷の山梨を離れ、名古屋のちいさな出版社に就職し、一人暮らしをしていた。
とある週末、ツーリングの計画を立てていたところに、
高校時代の友人・大垣千明から唐突にメッセージが届く。
「今、名古屋にいるんだが」
山梨の観光推進機構に勤める千明は、数年前に閉鎖された施設の再開発計画を担当していた。
「こんなに広い敷地なら、キャンプ場にでもすればいいじゃん」
そんなリンの何気ない一言から、動き出す千明。
東京のアウトドア店で働く各務原なでしこ、
地元・山梨の小学校教師となった犬山あおい、
横浜のトリミングサロンで働く斉藤恵那。
かつてのキャンプ仲間が集まり、キャンプ場開発計画が始動する。
キャンプでつながった五人が、今だからできることに挑む、
アウトドア系ガールズストーリーの幕が上がる。
(公式ホームページより抜粋)
感想は追記からどうぞ。
≪感想≫
ゆるキャンが映画化されることを、公開一週間前に知った(笑
なので事前情報ゼロで観に行ったら、さすがに驚いた。いや、だってメインキャラ全員社会人なんだもん。
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というわけで、どうやら映画オリジナルストーリーらしい。まぁ原作者が監修しているのだから、ほぼ公式みたいなものだろう。今も連載が続いているので、いずれは映画の漫画化もあるのかも?
そんな本作。彼女たちが高校生だったのは序盤の数分のみ(泣
そんな前半パートで描かれるのは、大人になった主人公たちを扱う作品らしく彼女たちが高校時代の感覚に戻るまでのお話と言って良いだろう。
山梨を離れ名古屋で小さな出版会社に勤めるリンは、東京のイベント会社に勤めていたはずの千明が名古屋にやってきたので3年ぶりに居酒屋で飲むことになった。その席で千明は、イベント会社を辞めて山梨県の観光推進機構に勤めていた。そんな彼女が抱えていた広大な土地を持つ施設の再開発計画問題にうっかり「キャンプ場にすればいいじゃん」といったもんだから、その場のノリで名古屋から山梨にやってきたリン。
彼女がよって寝ている千明を段ボールで包み(笑)、施設を巡るわけだが、彼女は少しずつ下っていくわけだ。階段を下りたり、スロープ状の山道を下りたり。
それは年齢を積み重ねて上がっているリンが、高校時代へと回帰しようとしているようにも見えた。
また、彼女が松ぼっくりを拾っても最初は声を発さない。高校時代の彼女が松ぼっくりを拾えば、アニメ的な演出で松ぼっくりは声を発したのに…。
だが、少しずつ今の大人としての感覚の中に、高校時代の感覚が戻ると、松ぼっくりはまた喋り出すのだ。
リンだけではない。都内のアウトドアショップで働くなでしこはかつての自分たちを思わせる女子高生たちとの出会いで少しずつ当時の行動力を思い出して、山梨に残って小学校の教諭をしているあおいは学校閉鎖で悩んでいた時期で、横浜でペットトリマーとして活動している恵那は誘われるままに誘いの乗って昔のテンションにみんなが戻っていく。
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中盤では、彼女たちが休日を犠牲にしてまで手掛けてきた高下(たかおり)のキャンプ場開設計画が縄文土器の発見によって頓挫しようとする。
そのシーンでは曇天続きで、雨が降り出してしまう辺りはアニメらしい演出と言えるだろう。ぶっちゃけ、ちくわはここで死んだと思った(笑
こうした絶望感、みたいなものは正直良くも悪くもゆるキャン△らしくはないなと思ったが、そうした中で再び彼女たちは立ち上がる。立ち上がるっていうのが、映画ならではなのかな、とも。
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後半での彼女たちにはもう迷いがない。それに合わせるかのように往年のキャラもまた続々と出てくる。なんだかそれがゆるキャン△の最終回っぽくて、なんだか切なくもなった。
それでも、温泉に入るリンとなでしこのやり取り、観光推進機構でのPVなどは大人だからこそ突き刺さるものが多かった。
大人になれば何でもできると思っていたけれど、やっぱり出来ないことも多くて、支えてもらうことも多くて……。それでもそこに、あるいはその先に何を見出すか。そして出来ないことだらけで支えてもらってばかりでも、自分に何が出来て何が変えられるのか。
そういったことをもがくリンたちの姿は、大人だからこそ感じる部分がたくさんあるんじゃないかと思った。
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総評として、観終わった直後に単純に、単調にただ「『ゆるキャン△』サイコー!」と言える作品ではなかった、ということ。それは良い意味でストーリーや、観客に伝えたい想いみたいなものが複雑に絡み合っていたように思える。観ていて大人になることの切なさを覚えながらも、それでも学生時代の友人はやっぱり特別なんだなと思って改めて連絡を取ってみたい、と思わせた。
良くも悪くも、ゆるキャン△らしくないセンチメンタルさを加えたエンタテイメントな作品だったと思う。
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数量限定入場者特典の13.5巻冊子と、グッズで売られていたラバーストラップ。この松ぼっくリン、可愛すぎて1100円だったけど衝動買いした(笑
評価は、★★★★(4点 / 5点)。
- at 23:36
- [アニメ(放送中):ゆるキャン△シリーズ]
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NoTitle
記事を読ませて頂きながら、下にスクロールしていくとグッズの写真が掲載されていて、良い意味で不意打ちを食らいました(笑)
へぇ...こういうのも売ってるんですね。
いいですね、松ぼっくリン。久々のグッズ紹介で可愛かったし面白かったです。
通販サイトでサンプルがありますけど、実際はこんな感じなんですね。